曳馬中学校が
三年連続での全国出場を決める。
平成28年度 西部新人野球大会
平成28年10月30日、城山球場にて西部新人野球大会の決勝戦が行われた。
決勝戦へ進んだのは、3年連続での全国大会出場を目指す曳馬中学校(浜松地区2位)と、13年ぶり5度目の西部大会出場を果たした北浜東部中学校(浜松地区9位)の“浜松対決”となった。
この大会の優勝チームは、来春に行われる全国大会『文部科学大臣杯全日本少年春季軟式野球大会』への出場権を手にする。
2位のチームは『静岡県新人野球大会』にて、全国大会出場の“最後の一枠”を懸けて戦うことになる。
今年の曳馬中には飛び抜けた選手はいない。
だが高い総合力と、代々培った“勝者のメンタリティ”で勝負強さを発揮。決勝戦の舞台へと勝ち上がってきた。
一方の北浜東部中は、西部大会に出場するのが13年ぶり5回目。
部員は二年生が5人、一年生が9人と少なく、試合に出場しているのも半分が一年生。それでも笑顔が絶えない“ハツラツ野球”で、二度の特別延長を制して決勝へと辿り着いた。
全くタイプが違う両チームが“全国大会出場”を目指して火花を散らした。
試合は曳馬中の攻撃から「プレイボール」。
先頭打者が倒れたものの、2番がヒットで出塁。盗塁と死球でチャンスを広げたが、後続が倒れ得点には至らなかった。
その裏の北浜東部中もツーアウトからランナーを二人出すものの無得点で1回が終了。
2回も両チーム無得点で迎えた3回表、試合が動き出す。曳馬中の先頭打者が左中間を破るツーベースヒットで出塁すると、送りバントでワンアウトランナー3塁と大きなチャンスを迎えた。
ここで“バッティングスクイズ”を選択。
しかしこれを北浜東部中バッテリーが外し、飛び出したランナーを挟む。
曳馬中のチャンスが費えたかと思われたが、ここで北浜東部中に“まさか”の守備のミスが。
内野手がボールをこぼした間に走者がホームを陥れ、曳馬中が先制点を挙げる。
すぐに追いつきたい北浜東部中はその裏、先頭打者がヒットで出塁すると送りバントで2塁へ。
すぐさまチャンスを作り出す。
しかしここで立ちはだかったのが曳馬中のエース。
後続を二者連続三振に切ってとり相手に得点を与えない。
4回の表の曳馬中はヒットと盗塁、送りバントでワンアウト3塁と再びチャンスを作り出す。
しかしことは北浜東部中が好守備を見せ無失点で切り抜ける。
先頭打者が出塁したい北浜東部中だが、曳馬中エースの前になかなか出塁ができない。
試合はそのまま両エースの投げ合いが続き1対0のまま最終回裏の北浜東部中の攻撃を残すのみ。
先頭打者の放った打球は大きな放物線を描いて飛んだが、外野手が追いつきワンアウト。
続く打者が思いきりよく引っ張ったがサードがこれを軽快にさばきツーアウト。
そして最後は、曳馬中エースの渾身のストレートがアウトコースいっぱいに決まり「ゲームセット」。
1対0で曳馬中が北浜東部中を下し、脅威の“3年連続”での全国大会出場を決めた。
敗れた北浜東部中だが、劣勢になっても笑顔が絶えない、実に印象的なチームだった。
彼らのハツラツとした野球は観ている者を虜にした。
「応援したくなるチーム」。北浜東部中にはそんな表現が似合うと思う。
全国への道はまだ閉ざされていない。
県大会で各地区の2位のチームの中で最上位の成績を収めれば全国大会へ出場できる。
北浜東部中の戦いはまだ続く。