昨年度から再始動した磐田東中学校サッカー部。3年生がいない1、2年生だけのチームで挑んだ二度目の夏季大会で磐周地区大会を制覇。県大会でもベスト8進出を果たし、来年はさらに上を目指していく。

磐周大会制覇。
磐田東中学校 サッカー部
昨年度、22名で活動を再開した磐田東中学校サッカー部。初めて迎えた夏季大会では、初戦で竜洋中学校に0対7で大敗。ここが彼らのスタートだった。
夏を超えて迎えた新人戦では、磐周新人で3位に入ると、レッドウイング・ホンダカップでも3位。県新人ではベスト8進出を果たし、一気に県の上位争いに加わった。しかし、春季大会では、PK戦の末に敗れ県大会出場を逃した。この敗戦を機に再び自分たちを見つめ直し、トレーニングに励んできた。
迎えた二度目の夏。初戦で豊田南中学校に1対0で勝利すると、準々決勝では、豊岡中学校を6対1で一蹴し、ベスト4に進出。準決勝では、磐田南部中学校との延長戦にもつれる激闘を2対1で制し、決勝へと駒を進めた。迎えた決勝戦。相手はこれまで三度敗れてきた福田中学校。会場はヤマハスタジアム。新たな歴史を作る舞台は整った。試合開始直後から福田のカウンターを警戒しつつ、磐田東らしいパスサッカーで主導権を握ると、左サイドからカットインした選手が右足を一閃。綺麗な弧を描いたシュートがゴールネットに吸い込まれ、先制に成功した。その後も安定した試合展開でゲームをコントロール。終盤、パワープレーに出た福田の猛攻を受けるも、最後まで粘り強く守り抜き、1対0で勝利。福田へのリベンジを果たし、遂に磐周地区の頂点に立った。その後の県大会では、初戦で三島北中学校に11対0で圧勝。駆けつけた同校の高校サッカー部の先輩たちの応援にゴールラッシュで応えた。続く2回戦も富塚中学校に3対0で勝利。準々決勝で常葉大学附属橘中学校に敗れたが、ベスト8という成績を収めた。
同部では、アローズジム磐田校と提携し、低酸素トレーニング(持久力)、スプリントトレーニング(瞬発力)を毎週取り入れている。また、スポーツドック(基礎体力テスト)の分析データから、自己の課題に向き合って強化ができ、食育や血液検査などによって成長期に必要な体づくりにも力を入れる。実際、春までは上級生を相手にフィジカルの差を痛感することも多かったが、徐々にその差が埋まり出すと、技術力の高さが一層際立つようになった。中学生には中学生の、高校生には高校生に合った体づくりがあり、専門家と提携することで、年代や個人差も踏まえたトレーニングで体を作っていく。また、学校教育の一貫であることを重視した育成や、放課後すぐに練習ができるという部活動の良さを活かしつつ、各カテゴリーに複数人のスタッフが配され、クラブチームにも劣らない質の高い技術指導が受けられることも同部の強み。このほか、中体連とクラブの両方に登録しているため、数多くの大会やリーグ戦に出場でき、レベルの高い相手との試合をより多く経験できることも選手にとっては大きなメリットと言える。そして何よりも、間近で県トップレベルの高校生のプレーを見られることも中学生にとっては大きな刺激となっている。こうした同校ならではの強みを活かしながら、一人ひとりが選手として、そして、一人の人間として成長していける環境づくりに務めている。
佐野監督はチームについてこう話す。「中高一貫6年計画で選手育成することができるため、焦らずにじっくりと正しい時期に、正しいことを学び、良いサッカー習慣を身につけることを目指して指導することができています。また、日頃のトレーニングでは、高校生と同じグラウンドでトレーニングを行っているため、憧れの高校生から多くの刺激や基準をもらうことができています。そして、選手もスタッフも中高連携した『磐田東ファミリー』として、充実した日々を過ごしています。今後も、中学生としての基本的生活習慣と学習習慣を身につけ、サッカーを通した人間教育に力を入れていきます。この部活動の強みを活かしながら、中体連全国優勝を目指し、各大会やリーグ戦を経験しながら、高校年代で活躍することができる選手を育成していきます」
今年度、部員は40名を超え、チーム内での競争は激化の一途を辿る中で、互いに切磋琢磨しながら選手たちは成長を遂げてきた。夏を終え、2年生にとっては中学生活最後の一年が始まる。今までは上級生を相手に戦ってきたが、ここからは同学年の選手たちが相手。これまで以上に負けられない戦いとなる。今夏の結果を超えるためにも、さらなる成長が求められる。次の一年でどのような成長が見られるのか。今後も彼らの活躍に注目していきたい。
■磐田東中学校サッカー部に関するお問い合わせ
磐田東中学校・高校 募集対策室
