子供が輝ける環境について。

編集長のひとりごと

中学三年生の“夏”が終わり、約二ヶ月が経過した。夏休みはどう過ごしただろうか。

すぐさま受験勉強に切り替えた子もいれば、“初”となる中学生としての夏休みを満喫した子もいるだろう。何となくだが、多くは後者のような気がする。「今、楽しい」ことが重要のように思うかもしれないが、「この先が楽しい」方がもっと重要。もっと先で楽しんだ方が、楽しさのレベルが違う。今は勉強をする時ではないだろうが。

一方で、親御さんたちは模試の結果が気になりだしたのではないだろうか。

「前回よりも何点下がった」などがあれば、相当子供を叱咤していることだろう。ただ、子供の高校受験を二度経験した先輩として言わせていただけば、大事なのは模試の点数ではなく、一般的に言う“内申点”だということ。これは科目ごとの5段階評価を9科目で掛けて算出される合計の数字。例えば、オール3であれば27、オール4であれば36。多くの高校では、この数字を重要視しているような気がする。「二学期の内申点が高校に送られる」と聞くので、二学期の中間テスト、期末テスト、さらには学校生活での立ち振る舞いが重要になると思う。とはいえ、模試の結果もないがしろにはできない。やるだけのことをやって受験を迎えてほしい。

「どこの高校に行くか」で苦心している子もいるかと思う。

親は「少しでも偏差値の高い高校へ」と言うと思うが、大切なのは自分の心。「ここの雰囲気いいな」と思うところがいいのではないかと思う。無理して入った高校で下にいるよりも、適したレベルの高校で上の方にいたほうがいいかもしれない。
大学への推薦や就職時に重要となるのは“評定平均”。科目ごとの10段階評価を5段階にしたもの。この平均点が重要となるため、無理して入った高校では、相当無理をしないと高得点は望めない。それなら、適したレベルの高校で高得点を取った方が賢明かもしれない。そしてこの評定平均は、中学とは異なり、1年時からの平均。高校入学直後から、定期テスト対策はしっかりと取り組むことが大切になる。

部活に関しても同じことが言える。

高校で部活をやるにしても、強豪校に行くのか、それとも出場できそうな高校を選ぶのかも、ひとつの高校選びの基準でいい。ここについても自分の心に問いかけてもらいたい。

以前、ある社長さんにこんなことを言われた。

「鯉は池の水によって味が変わる。汚い池にいる鯉は色が汚く、とても食べられない。しかし、キレイな池にいる鯉は数百万円で売買されるほど美しく、食べても美味しい。自分がどんな池にいるのかは非常に重要なことだ」と。
どんなに偏差値の高い高校に行こうが、その学校という名の池の水が合ってなければ心はみるみる汚れて、誰も寄りつかなくなる。逆に、そんなに偏差値の高い高校でなくても、池の水が合っていればみるみる輝き出す。それは部活も同様だ。部活という池はチームメイト、そして指導者を含めた環境を指す。自分が輝ける池なのかどうか。遠巻きからでも少し練習が見学できるといいのだが。

そして最も重要な池が“家庭”。

子供たちのために、ポジティブな雰囲気で、話をしやすい温かい池を作ってほしい。そんな池で育つ子供は、必ずやキラキラと輝き出す。皆さんの家庭はどんな池だろう。もしも汚い池だと思ったら、キレイな池に変えてみては。心ひとつですぐに変わるはずだから。

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