バッティング編[第2回]
構えは自分にとって自然だと思える形で
打席に入るときは、まずリラックスして立つこと。それから構えの姿勢をとり、ピッチャーのペースに飲まれないように、自分の間をつくる予備動作をします。立ち位置はバッターボックス内であれば自由ですが、ボールを見る時間を少しでも長くするためには、なるべくキャッチャーよりに立ったほうが有利です。ホームベースからの距離は、アウトコースぎりぎりのボールが来たときでも芯でとらえることができる位置になります。予備動作中の構えは、肘や膝は突っ張らずに軽く曲げ、足のスタンスを肩幅より若干広めにとるのが基本ですが、自分に合ったスタンスを見つけることが大事です。構えから後に始まる「捻り」動作にスムーズに移行するためには、前側の肩と腰の線がピッチャーのターゲットラインに入るようにスクエアスタンスで構えるのが望ましいです。その時には、重心の縦軸となる捕手側の足の股関節の位置と回転の横軸である骨盤の高さがブレないように意識をおいてください。
予備動作中も頭と視線はしっかり固定
ピッチャーとの間合いを測る予備動作については、バットをぐるぐる回したり、身体の一部を小刻みに揺すったりと、自由なやり方で構いません。ただ一つだけ注意してほしいのが視線の置き所です。バットや手は動かしていたとしても、頭は動かさずに視線をきっちり固定します。視線が泳いでしまうと、ボールの見極めが非常に困難になるので特に気を付けてください。スタンスは平行に立つ「スクエアスタンス」が基本ですが、ほかにも投手側の足を引く「オープンスタンス」、逆に捕手側の足を引く「クローズドスタンス」があります。それぞれ長所短所がありますが、極端な引きは軸のブレや捻り動作の妨げになるので避けるべきでしょう。
中村好志さん(なかむらこうじ)
メジャーリーグ「サンディエゴ・パドレス」のコンディションニングコーチを務めた後帰国し、「ケイスポーツ・アイコンス」を設立。社会人野球チームを運営する傍ら、小中学生への野球指導もしている。