痛みなく大会で結果を出すために
「腰を落とす」、「腰を低く」という言葉を聞くと、「よし、ヒザを曲げよう!」という感覚が身に付いている選手が多いのが現状です。
ここにヒザが痛くなる大きな問題があります。そういった場合、ほとんどの選手はこのような形でジャンプしたり、シュートしたり、構えたり、ストップ動作でも同様の姿勢になってしまいます。
この姿勢はトレーニングで変えることが可能です。その最大のポイントが「お尻の筋肉を使う(股関節を曲げる)」ことにあります。「お尻の筋肉を使う?」となりそうですが、身体の中心に近いお尻には、全ての競技に繋がる答えがたくさんあります。
スクワットといわれる運動を考えてみましょう。この運動でお尻を引く(股関節を曲げる)ことを一番にして動き出すのか、ヒザを曲げること(つま先よりもヒザを前に出す)を一番にして動き出すのかが、ヒザの痛みがある選手と、痛みのない選手を分けるポイントといっても過言ではありません。
例えば、バスケットでシュートが遠くまで飛ばせる、バレーボールでジャンプが誰よりも跳べる、野球で肩が強い、サッカーでシュートが強い。このような選手はヒザではなく、上手にお尻を使っている選手です。こんな選手が周りにいたら、その選手たちとの差はここにあると思ってください。
お尻が使えていない選手は、言葉で言うと「手投げ、手打ち、体幹がない」と表現されているかもしれません。痛みなく、強くて上手い選手を目指すなら、自分のプレーを見直して、お尻の使い方から初めてみてはどうでしょうか。
高木慎一さん(たかぎしんいち)
各スポーツ競技に特化したトレーニングを行うパーソナルトレーニング施設「Athlete Village(アスリートヴィレッジ)」代表。体のことを知り尽くし、体づくりのプロとして、ジュニアアスリートの目標を全力でバックアップしている。