磐田東中学校のサッカー部が6年ぶりに復活する。それに伴って今年から開催された『第1回磐田東Future杯』。大会の運営や審判、指導者を高校生が担当し、小学生と一緒にサッカーを楽しみ、勝利を目指して共に戦った。

【大会結果/第1回磐田東Future杯2023】
磐田第一が接戦で 初代王者に輝く。

令和5年8月19日に磐田東中学校・高等学校にて『第1回磐田東Future杯2023』が開催された。大会には、近隣の少年サッカークラブ(U12)が参戦。今大会に出場したのは、バディFCとレゾン袋井、磐田第一JSS、竜洋FC、青城JFC、和田JFC、佐藤SC、元城SCの8チーム。大会は、4チームブロックの予選を戦い、その後、各ブロックの同順位同士で決定戦を行い、優勝を争った。
予選Aブロックでは、バディと佐藤、青城、竜洋の4チームが対戦し、青城が1位、バディが2位、佐藤が3位、竜洋が4位。予選Bブロックでは、和田とレゾン、元城、磐田第一が対戦し、磐田第一が1位、和田が2位、レゾンが3位、竜洋が4位となった。

3位決定戦は、バディと和田の一戦。お互いチャンスを作るも決定力を欠き、試合はスコアレスのままPK戦へともつれ込んだ。後攻のバディは、1人目が失敗するも2人目が決めて1対2。決められれば負けが決まる場面でキーパーがビッグセーブ。チームを救うと3人目が落ち着いて決めて2対2でサドンデスへ。和田が失敗したのに対し、バディは最後のキッカーが冷静に決めて勝利。PK戦を制し、3位入賞を果たした。

決勝戦は、青城と磐田第一の一戦。試合は、拮抗した展開のまま前半を終えるが、互いに攻勢を強めた後半は点の奪い合いへと一変。青城が先にゴールネットを揺らし1対0と先制に成功するも、すぐさま磐田第一が追いつき1対1。磐田第一は、そのままもう1点を奪い2対1と逆転に成功する。しかし、このままでは終われない青城がゴールを奪い、2対2と再び同点とした。最後にゴールをこじ開けたのは磐田第一。3対2と再びリードを奪うと、最後まで青城の猛攻を防ぎ切って勝利。大接戦を制して初代大会王者に輝いた。

今回初めて行われた同大会。大会の運営や審判などは全て同校の高校サッカー部員が担い、大会中は各チームに3名ずつコーチとして高校生が入って選手をサポートした。主催の磐田東中学校・高等学校では、来年度から6年ぶりに中学サッカー部が復活。中学サッカー部の存在を知ってもらいたいという背景もあるが、それ以上に地域の子供たちに環境の整った中でサッカーを楽しんでほしいという思いと、高校生たちにとっても学びの場になってほしいと開催を決定。高校生コーチとして参加し、将来は指導者を目指す2年生の安形和泰くんは、「プラスの声掛けは意識して行おうとスタッフで話をしました。相手が小学生ということもあり、普段自分たちでは伝わることも、言葉が足りなければ伝わらないですし、わかりやすく正確に伝えるにはどうしたらいいかを考えながらできたことは、良い経験になりました」と話してくれた。

小学生の試合に高校生がスタッフとして入り、一緒になってベンチで盛り上がっている光景は、とても印象的で、年代も言葉も関係なく一緒になれるサッカー本来の魅力を感じられる瞬間だった。こうした大会を続けていくことで、同校の魅力はもっともっと伝わるだろう。地域に愛され応援されるチームとして、サッカー少年たちの身近なアイドルとして、これからも磐田東の精神を次世代に受け継いでいく。



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