「ボクシングを始めてから、いろいろなことに立ち向かえるようになりました」と岡田くんが話すように、少しずつ自分が変わっていることを実感している。何かに打ち克つために、何かを守るために、人は強くなっていける。痛みを知っているからこそ、人は優しくなれる。
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目指すは世界チャンピオン。
「将来は、世界チャンピオンになりたいです」と口にするのは、浜松から世界チャンピオンを目指す小学生ボクサー岡田虎太郎くん(芳川小学校6年)。彼がボクシングを始めたのは、小学2年生の時。弱い自分に打ち克つため強さを求め、浜松堀内ボクシングジムの門を叩いた。設立して60年を超える伝統あるジムを選んだ理由について、「どこよりもしっかりとボクシングを教えてくれると思ったから」と話してくれた。
入門当初は、他の子たちと同じようにキッズクラスに通い、ボクシングの楽しさに触れながら、基礎からしっかりと取り組んだ。真面目な性格もあり、メキメキと頭角を現すと、小学3年生の時には、『第2回ジュニアチャンピオンズリーグ』で中日本代表となり、全国大会に出場。全国準優勝に輝いた。
これを機にさらに上を目指したいという気持ちは強くなった。高学年になると、キッズクラスではなく、選手クラスで練習するようになり、プロボクサーに交じって週に6日、ジムで汗を流す。コロナ禍ということもあり、大会への参加は見送っているものの、身体も大きくなり、確実に力を蓄えている。
「優しくて真面目。何よりも自分の状況を理解し、勇気を持って一歩を踏み出せることが彼の最大の強さです」と堀内会長は話す。女手ひとつで家族を支えてくれる母にこれ以上負担は掛けられないと、片道5kmの道のりを雨の日も風の日も休むことなく自転車で通い続ける。
「ボクシングを始めてから、いろいろなことに立ち向かえるようになりました」と岡田くんが話すように、少しずつ自分が変わっていることを実感している。何かに打ち克つために、何かを守るために、人は強くなっていける。痛みを知っているからこそ、人は優しくなれる。ボクシングを通して成長し続ける彼の活躍に今後も注目していきたい。
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