目指すは未来の
“フェアリージャパン”。
鈴木 希歩 ローザ新体操クラブ
リオデジャネイロオリンピックにおいて、“フェアリージャパン”の名で脚光を浴びた女子新体操日本代表。
そこを目指す選手がここ浜松にいる。
昨年の全日本新体操チャイルド選手権で4位入賞を果たし、全国にその名を轟かせた鈴木希歩さん(神久呂中学校1年)がその人だ。
新体操を始めたのは4歳の時。
元々は別のクラブに通っていたが、友達が出演しているローザ新体操クラブの発表会を見に行ったことがきっかけで同クラブへ移籍。すぐさま頭角を現し、小学2年生の時に『全日本キッズコンテスト』に出場。
基礎技術の高さを評価され、県内選手として“初”となる『ベーシック賞』を受賞。
その後も『全日本チャイルド選手権』にて、3位入賞、4位入賞と安定した成績を収め、その実力が全国トップレベルだということを証明してきた。
そして今年、2学年、3学年上の選手たちを抑え、東海地区で“わずか”5人という狭き門をくぐり抜け、クラブ史上初となる『全日本ジュニア新体操選手権』への切符を手にした。
「彼女の魅力は何と言ってもその可動域の広さ。それがあるから身体全体を大きく使った演技ができる。あとは天性の勝負強さを持っている。その一方で課題は練習への取り組み。一生懸命取り組んではいるが、上手くいかない時に顔に出てしまうことが多い。中心選手なだけに、周囲への影響が大きい。チームの中心選手として、オリンピックを目指す選手として、みんなのお手本となるような振る舞いを意識して欲しい。新体操は人が点数を付ける競技。同じ演技をしても立ち振る舞いで大きく結果が変わってしまう。演技力は間違いなく全国トップクラス。思春期ということもありますが、精神面が成長すれば、日本を代表するような選手になれると信じています」と指導にあたる野本氏は期待を込めてこう語る。
練習は週に6回。柔軟性や基礎練習にくわえ、毎週水曜日にはバレエクラスにも参加。表現力に磨きを掛ける練習にも余念がない。
将来の目標について鈴木さんは、「もっともっと練習を重ねてオリンピックの舞台に立ちたいです」と話す。
彼女はクラブで“唯一”全日本ジュニアの舞台に立った。
それは、彼女の努力だけではなし得なかったかもしれない。
仲間との絆、支えてくれる周りの人たち、さらには多くの先輩たちが築き上げてきたクラブの歴史の上に成り立っている快挙なのかもしれない。
中学1年生の彼女には“あと3回”全日本ジュニアへの挑戦権がある。
当面の目標は“全日本優勝”。
そしてその先には“オリンピック”を見据える。
アスリートとして最も大事な“感謝の気持ち”。それを持ち合わせた時、彼女の演技は、より美しく光り輝くに違いない。
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