バッティング編[第5回]
●フォワードスイング
大切なことは、力を内側に絞り込んでバットに集中させること。
スイングのコツはずばり「コマ」になりきること。
強くて真っ直ぐな軸を自分の中につくり、膝を開かず下半身の内転筋を利用して、身体が泳がないように意識することが大切です。
また、ヘッドではなく必ずグリップでボールを追うようにします。
そのイメージを持っていれば上体が早く開きすぎることはありません。バットが身体から離れてしまうと、せっかく溜めた捻りの力がうまく伝わらず、スイングスピードが落ちてしまいます。バットは身体に沿わせるイメージで、グリップ主導で動かすようにしましょう。
トップで開いた後ろ側の脇は、フォワードスイングの動作と同時に徐々に閉められていきます。
ここでまだ脇が開いていると、やはりバットが遠回りして捻りの力がうまくバットに伝わらなくなるので注意してください。
スイング中は縦軸の安定のほかに、横軸の水平維持にも気を配りましょう。
捕手側の足の膝が極端に折れて、骨盤が斜めに下がってしまうとアッパー気味のスイングとなり、ボールへの到達時間が遅くなります。骨盤は常に水平に保つようにしてください。
一方で、ボールをヘッドで追いかけると「ドアスイング」になってしまいます。
バットにボールを当てよう、バットを強く振ろうとするあまり腕に力が入りすぎてしまい、「手打ち」の状態になってしまうのです。しかし、これではスイングスピードは逆に遅くなり、打球も弱々しいものになってしまいます。
身体が持つ筋肉の力をフルに活用してスイングするためには、体幹(身体の中心軸)にある腰を使わなければならないのです。
腕は体幹の付属とまでは言いませんが、あくまでも腰を中心とした下半身がバッティングの主導となることを理解しておきましょう。
中村好志さん(なかむらこうじ)
メジャーリーグ「サンディエゴ・パドレス」のコンディションニングコーチを務めた後帰国し、「ケイスポーツ・アイコンス」を設立。社会人野球チームを運営する傍ら、小中学生への野球指導もしている。