聖隷クリストファー中・高等学校の冬
聖隷クリストファー中・高等学校
キリスト教主義の本校。日頃から全校で朝礼拝を守り、聖書や賛美歌に触れています。11月末からキリスト教で最も大切にされる行事である『クリスマス』の準備が校内のそこかしこで始まります。
クリスマスの4週前頃、クリスマス準備期間である『アドヴェント』に入ります。アドヴェントを迎えるにあたって、各クラスの宗教員が放課後集まり、教室やホール、玄関に飾る『アドヴェントクランツ』を手作りします。綱を土台にして、ヒノキの枝を巻いていき、最後は赤いリボンで飾り付けます。同じ材料で、同じ作り方で作るのですが、各クラス本当に個性あるクランツが仕上がります。中学1年生や高校1年生にとって、クランツ作りは初めての体験。寒い中、かじかんだ手を温めながら一生懸命作業をしてくれました。上級生にくらべると、ずいぶん時間をかけて完成させた1年生のクランツ。心を込めて作ったことが伝わる、素晴らしい出来でした。
アドヴェントクランツは、各クラスに設置され、真ん中にろうそく立てを置き、4本のろうそくを立てます。アドヴェント1週目には朝の礼拝で1本のろうそくに火を灯します。2週目には2本、3週目には3本、そしてクリスマスを目前とした4週目には4本のろうそくに火が灯ります。1つずつ増えていくろうそくの灯火を見ながら、「もうすぐクリスマス」という気持ちが高まっていきます。
アドヴェントに入る頃、学校に毎年設置されるもう一つのものが、クリスマスツリーです。今年は全国で天候不良があり、「いつもよりもかなり小さなツリーになってしまうかも」と連絡をいただいていたのですが、届いたツリーは、例年のツリーに引けをとらない、むしろ大きめくらいの立派なツリーでした。ツリーの到着前に、宗教委員にはまた重大な仕事があります。クリスマスツリーの飾り作りです。ご家庭でクリスマスツリーを飾る方はかなり多いことでしょう。また、ショッピングモールなどにも大きなツリーが飾られますね。皆さんはツリーにどんな飾りをつけているでしょうか。赤や、金・銀の丸いオーナメント、綿の雪、あとは仕上げのピカピカ光るライトと、ツリーの一番上に光る星(トップスター)などでしょうか。
本校のクリスマスツリーは、ドイツ風の飾り付けをしています。ツリーで白くユラユラ揺れる雪の飾りは、毎年宗教委員の手作り。そして、白い星の飾りも生徒たちが一つ一つ丁寧に手作りした物です。そして、本校のツリーに飾られる赤くて丸いもの…は、本物のリンゴです。リンゴも天候不良の影響で今年はとても小さい物ではありましたが、美しい赤色で、ピカピカとツリーで輝いていました。そして皆さんがなじみのないツリーの飾りとして、本物のクルミと、麦わらの飾り、銀のツララも飾ります。皆さんがおうちで飾っているツリーや街中で目にするツリーとは、色々違うツリーではないでしょうか。ツリーの飾りつけは、これで完成ではありません。「クリスマス礼拝」の時には、ツリーに本物のろうそくを飾り、それにも火をともします。ろうそくの火に、雪の飾りが揺れ、本当に美しいツリーが完成します。
クリスマスは、中高合同でのクリスマス礼拝に加え、中学生だけで「クリスマス祝会」を行います。
クリスマス祝会では、まず生徒それぞれが火の灯ったろうそくを手にしてホールに入場、そしてその年度に生徒会が掲げたテーマをろうそくで描きます。今年度のテーマは「笑」。ろうそくで輝く「笑」の文字が、ホールに完成しました。続いて、宗教委員と生徒会執行部と有志が「クリスマス・キャロル」の劇を披露しました。ディケンズの「クリスマス・キャロル」をもとに生徒が台本を書き、小物や衣装をそろえ、音声やパワーポイント資料を作り、一生懸命練習をして、本番を迎えました。練習が生かされて、ところどころで笑いの起こる、劇が完成しました。
劇に続いては、日本における社会問題について動画を鑑賞し、グループごとでその問題を軽減するためには私達一人ひとりにどんなことができるかを話し合い、全体に向けて発表をしました。クリスマスは、イエス・キリストを神様が与えてくださったことに感謝する時です。そしてまた、与えられるばかりでなく、隣人のために何かを与えるべき時です。今回、短い時間の中ではありましたが、生徒達は問題について考え、意見交換することができました。これからの生活の中でも、いつも他の人のことを思いやり、隣人愛の実践を心がけていけたら素敵だな、と思います。
今回は、本校のクリスマスの様子についてお伝えしました。次回は、中学の恒例行事、「百人一首大会」と中学1年生の「楽器博物館研修」についてお伝えできればと考えています。