自己責任追及が
できる子どもに。
人は誰でも自分の想い通りに物事を進めたいと思うものです。強引に物事を推し進めると、反発もあり摩擦も生じます。子どもに対しても同じ。どうすれば子どもが理想の言動をしてくれるかは、親を悩ませている問題ですが、視点を変えて考えてみると意外と簡単にできてしまうんです。
例えば、子どもに対して「どうすれば○○○するようになるのか?」と考えることをひとつ思い浮かべてください。この思いは自分から目的を通して子どもを見た主観的な考え方なんです。いくら主観的な考えで答えを導き出そうとしても適切な答えなど出てこないのですが、逆に子ども側から目的を通して自分を見る客観的な視点で考えてみると、出てきた答えは魔法のように子どもに効果を発揮してくれます。子ども側から見た客観的視点の考え方とは、先に書いた「どうすれば○○○するようになるのか?」という言葉を、子ども側から見た客観的な「そうすれば○○○したくなるのか?」という言葉に変えて考えていただくと簡単にその答えは出ます。
また、やりたい気持ちを持って行動する子どもは成功体験をそれだけ多く経験しますので、様々なことにチャレンジするようになりますし、当然ですがその中には失敗も含まれていますので、失敗を受け入れ乗り越えることも身に付けていきます。
次に、自己責任を身に付けさせてあげてください。これが一番、心を鍛えるには効果のあるトレーニング法です。子どもが愚痴や文句を口にすることはよくあることですが、その時に自己責任上で何が原因だったのかを感情的ではなく理論的に考えられるようにしてあげてほしいのです。私はこれを「自己責任追及トレーニング」と呼んでいます。人間はつい、他人や物、状況の責任にしてしまいます。言い訳や責任逃れとも言いますが、実はこの思考は自分のメンタルバランスを保つために行っているものです。「自己責任追及」とは、決して誰かに謝罪することではなく、落ち込むことでもありません。ただ事務的に自分の責任上で何が原因だったのかを探すだけのことです。
自己責任上での原因が探し出せると、必ず改善策がくっついています。試合に負けたのは自分の責任でその原因が練習不足となれば、ただ練習をすればよいだけです。その練習がより具体的な原因として探し出せたなら、より効果的な練習が可能となり、技術が磨かれます。自己責任追及ができる人間は、あらゆる問題を改善していくだけでなく、人としての成長も著しく、誰かに幸せ依存をせず、自分で幸せを生み出すことができる人でもあります。
余談になりますが、企業の人事担当者が必ず口にされるのが「謙虚な子がほしい。」これは今の時代とても希少な人材となっています。子どもの言い訳は、子どもがメンタルバランスを保たず心を鍛えられるよう、議論せず無視するようにしてください。そして、親として完璧を求めないでください。子どもに“甘える、頼る、お願いする”という言動は、子どもの将来の選択肢を広げ生き抜く力を身に付けさせることに繋がるから。
皆さん、親役を楽しんでくださいね。