浜松開誠館中学校の
7連覇ならず。
第45回 レッドウイング・ホンダカップ
チャンピオンシップ
平成28年12月11日にホンダ都田サッカー場にて『第45回レッドウイング・ホンダカップ』のチャンピオンシップが行われた。この大会は、中学校の部活動の代表とクラブチームの代表が対戦する“唯一”の大会で、同世代の“真の王者”が決まる。ここまでは中学校部活動の浜松開誠館中学校が6連覇を達成。部活動のレベルの高さを見せつけている。
今回出場権を獲得したのは、“7連覇”に挑む、新人戦西部大会優勝の開誠館中と、同大会準優勝の天竜中学校、クラブの部優勝のジュビロSS掛川と、準優勝のホンダFCの4チーム。
それぞれの準優勝チームが3位決定戦を行い、優勝チーム同士が“真の王者”の座を懸けて戦った。
3位決定戦は、天竜中学校とホンダFCの対戦。
試合は序盤から激しいボールの奪い合い。両チームとも高い技術と中盤でのボール奪取を武器とするチーム同士。中盤での攻防が試合の流れを大きく左右する。前半はお互いチャンスを作れず、無得点のまま後半へ。
後半に入るとお互い攻撃の比重を増やし、相手ゴールへと迫る。装いを変えてもなお続く一進一退の攻防。そんな中での後半15分、試合が遂に動く。中盤から鋭いスルーパスで右サイドを崩したのはホンダ。そのままペナルティエリアへと侵入するとシュート。一度はブロックされるもこぼれ球を押し込みゴール。
ホンダが待望の先制点を挙げた。
何としても追いつきたい天竜中は、より攻勢を強める。前線からの激しいプレスでボールを奪うと、素早くサイドへ展開しホンダゴールへと再三迫る。しかしながらホンダのゴールキーパーが好セーブを連発。結局、1点を全員で守りきったホンダが勝利。
天竜中はあと一歩届かなかった。
決勝戦は、7連覇を目指す開誠館中と、初優勝を狙うジュビロ掛川が対戦。
試合は、決勝戦に相応しいハイレベルなサッカーが展開される。ボールを奪ってから早い攻撃を仕掛ける開誠館中に対し、ジュビロは高いポゼッション率を保ち、ボールを動かしながら相手の隙を突く。序盤はお互い譲らない一進一退の攻防が続く。
そんな中での前半15分、試合が動く。
ジュビロが右サイドでコーナーキックを獲得。大きな弧を描いたボールがファーサイドへ。開誠館中のディフェンスがしっかりとコースを抑えるが、ジュビロの選手がディフェンスを背負ったままの難しい体勢からボレーシュート。ジャストミートはしなかったものの、これがゴールに吸い込まれ、ジュビロが1点を先制した。
前半はこのまま終了し、0対1と開誠館中がリードを許す。
後半に入ると、7連覇を達成したい開誠館中が猛攻を仕掛ける。
ディフェンスの裏を突く攻撃にくわえ、個人技を活かしたサイドからの崩しなど多彩な攻撃でジュビロゴールを脅かす。一方のジュビロは、冷静さを失わないディフェンスラインにくわえ、ゴールキーパーがビックセーブを連発。ギリギリの所で得点を許さない。
後半、一方的に攻めた開誠館中だったが、最後までゴールネットを揺らすことができず、0対1で惜敗。
大会7連覇はならなかった。
この大会に中学校の代表として戦った開誠館中と天竜中は、クラブチームに引けをとらない魅力的なサッカーを展開した。
勝負はあくまで“時の運”。
ともにサッカーは充分通用した。
ともに勝ってもおかしくはなかった。
目指すべきは更なる高み。今後の両チームの活躍に期待したい。
なお、同時期に行われた「第32回静岡県U-14新人サッカー大会」において、開誠館中が優勝、天竜中が準優勝を果たした。