スポーツと“眼”!!
スポーツを行う上で、目の能力がどれだけ使われているかご存知でしょうか。人は外界からの情報の80%以上を目に依存していると言われます。つまり、スポーツをする上でも、状況判断のほとんどを目に依存しているということになります。このスポーツ時に必要な目の能力とは、学校などで行う視力検査の善し悪しだけではなく、動体視力なども含めた能力になり、総称して『スポーツビジョン』と呼ばれています。
このスポーツビジョンは、プロスポーツにおいても注目され始めており、プロ野球選手を対象に行った研究では、入団時のスポーツビジョンの結果と、入団後のその選手の活躍とを照らし合わせると、入団時のスポーツビジョンの結果が良い選手ほど活躍していることがわかりました(図1)。そしてこのスポーツビジョンは、トレーニングすることでその能力が向上することもわかっています。鹿屋体育大学の前田明教授が行った研究では、野球において、超速球の打撃練習を一年間継続することで、三振数が減少したうえ、バントのパフォーマンステストでも成功率が急激に上昇しました。目を鍛えることで動体視力が向上し、打撃パフォーマンスに効果があることが実証されたわけです。
最近では、プロバスケットボールチームの浜松・東三河フェニックスも『スポーツビジョン』トレーニングに取り組んでいます。
体力や技術を磨くことはもちろんですが、目を鍛え、動体視力を高めることも、能力の向上には欠かすことのできない要素になってきています。早速、今日、この瞬間から、『目のトレーニング』を始めてみませんか。 一年後の成果に大きな差が生まれるはずです。
中塚英弥さん(なかつかひでや)
科学的なデータと知識を活かして、パフォーマンス向上をサポートする、アローズラボ研究員。