編集長のひとりごと

物語のエンディング。

毎年この時期に発行している「ジュニアアスリートプラス高校野球特集」。昨年までは浜松市・湖西市のみを対象としていたが、ご父兄の皆さまの声を反映するカタチで、今回は「静岡県西部版」として、静岡県西部地区の高校野球部の3年生をほとんど掲載させていただいた。突然の取材依頼にも関わらず、快く取材に応じていただいた静岡県西部地区の高校野球関係者に厚く御礼を申し上げたい。

我々がこの雑誌の中で伝えたいことは、「高校3年生まで野球を続けた彼ら全てに等しく価値がある」ということ。レギュラーが誰で、ベンチ入りが誰、ということはそれほど重要ではない。それはあくまでひとつの結果。最も大事なのはここに至るまでの過程。各々が目標に向かって積み上げ、努力してきた日々にこそ価値があると思っている。今回掲載した高校3年生の数は495名。間違いなくひとり一人にある物語を思い起こすきっかけとして、これまでの野球人生を振り返る場として、この雑誌を使ってもらえたら本望である。

今年の大会は、開会式は中止となったものの、試合は通常通り行われる模様で、甲子園もある予定。学校応援や観客の有無については、静岡県の新型コロナウイルス警戒レベル次第のようだが、試合が行われることは朗報だ。

もちろん、親御さんにとってもこれが最後の大会となる。遠征や練習試合などがことごとく中止となり、思うようにチームの試合を観ることができず、同情の念にさいなまれる部分もあるが、これが最後。子供が2年3ヶ月、青春を懸けて野球に打ち込んだチームの集大成を見届けてほしいと願う。

息子が野球を始めたのは小学3年生の時。何をやっても鈍くさかった彼が、「ピッチャーをやりたい」と言い出したのがきっかけだった。もちろん、当初は箸にも棒にも掛からなかったが、6年生になるとマウンドに上がる機会ができた。ほとんどの場合、試合を壊すほど点を取られたが、県大会を懸けた試合で好投し、チームを県大会へと導いた。この頃になると、どんなことでも積極的に取り組む子になっていた。中学に入り、自分たちの代の大会で最初にもらった背番号は「1」。正直驚いた。その後、背番号はどんどん大きくなっていったが、自ら目標を持ち、それに向かって自ら取り組むことができるようになっていた。高校に入ってもピッチャーを希望した。高校になると出番は練習試合のみだったが、腐ることなく、目標に向かって日々努力を積み重ね、ガリガリだった体はみるみる大きくなっていった。最後の夏、出番がきたのは敗色濃厚な9回2死ランナーなしの場面。マウンドでなくバッターボックスに入った。プロ野球選手となった相手投手から放った打球は右中間への二塁打。塁上でガッツポーズをした後、代走が送られ、10年に及ぶ“野球物語“が終わった。高校で公式戦に出場したのはこの一打席のみ。ただ10年間、日々積み上げた取り組みは“生涯の宝”。彼にとっても、そして親にとっても。4年前の出来事だが、この時期になると今でも鮮明に思い出す。

どこの家庭にも間違いなく物語は“ある”。それを思い起こしてほしい。最後となるこの大会前に。息子さんがグラウンドにいようが、ベンチにいようが、スタンドにいようが、それは一切関係ない。物語は結果を超越する。物語のエンディングは、過程の中にある。

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