やりきった彼らは 誇りでしかない。

編集長のひとりごと

学生スポーツ最大の祭典と言っても過言ではない、『夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)』が間もなく始まる。今回は100回記念大会ということで、高校数が多い、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県で今大会のみ2校が代表校となる。100校以上が参加する静岡県は“全国屈指”の激戦県となる。

昨年、一昨年と浜松商業高校が、甲子園まであと一歩となる準決勝まで進出したものの、浜松からの甲子園となると久しくない。15年前(2003年)のセンバツに浜名高校が出場したのが最後で、夏に限ると、2002年に浜松学院高校(当時は興誠高校)が出場して以来、まさに16年間も遠ざかっていることになる。

秋大、春大で県大会に進出した浜松のチームの少なさも気になる。
秋大では浜名と浜松商業が、春大では聖隷クリストファーと浜名が進出したものの、それぞれの大会で2チームのみ。夏を勝ち上がるためには、大きな成長を遂げた選手の登場や、新戦力の登用が必要となるかもしれない。

新戦力とは、下級生である2年生、さらにはこの春に入部したばかりの1年生のことを指す。
新戦力が起用されることは、3年生の枠が減ることを意味する。この記事を書いている時点(6月21日)では、まだメンバー登録はされていないが、発行する時には登録メンバーが発表されている。3年生、並びにその親御さんのことを想うと、何とも言えない気持ちになる。

昨年、この気持ちを体験した。
秋大、春大と背番号があったりなかったりしていた息子。随分とヤキモキしたというか、「何とか結果を出してほしい」と常に願いながら練習試合を過ごした。「昨日は良かったのに、今日はダメ」。そんな週末を重ね、不安は大きくなるばかりだった。しかしある日、その考えというか、そんな想いが吹き飛ぶ出来事があった。深夜遅くに帰宅すると、外から何やら声というか息づかいが聞こえる。様子を見に行くと、トレーニングに打ち込む息子の姿があった。上裸で黙々と取り組むその体は汗で覆われており、胸板は大きくせり出し、腹筋はキレイに割れていた。昨日今日やっただけでは絶対にこうはならない。一日一日をしっかり積み上げていたからに他ならない。結果に一喜一憂するのではなく、自分がやれることをやる。この過程こそが成功であり、結果が出ることばかりが成功ではない。それを見た時、「なんて小さなことを気にしていたんだろう」と自分を責めた。

結果はあくまで結果。
背番号もただの結果だ。
評価を下すのは他人。それは自分ではどうすることもできない。

背番号を決めるのは監督。
監督は3年生がグランドに流した汗と涙を知っている。それを知ったうえで決断しなければならない。監督は自らに課した選考基準に基づき選手を選ぶ。実に苦しい決断を強いられる。だから、背番号がなくてもそれはその子がダメだということではない。きっと選考基準が違えば選ばれていただろう。

「最後の夏」。
居る場所がグランドか、ベンチか、スタンドか。どこでもいい。場所はそこまで重要ではない。どこに居ようがグランドで苦楽を共にした仲間。仲間と共に「最高の夏」にしてほしい。

親御さんには周りを見渡してほしい。
どれだけの子が高校最後まで野球を続けたのかを。

やりきった彼らは誇りでしかない。

そして最後まで子供が尊敬できる大人としての振る舞いを。
子供たちと共に、最高の夏となることを願う。

発行予定 整骨・接骨院 スポーツジム

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