中学サッカー部とクラブチームの王者が激突
レッドウイング・ホンダカップ チャンピオンシップ
中体連の部とクラブの部の2つのカテゴリーに分かれて行われる『レッドウイング・ホンダカップ』もいよいよ決勝大会。中体連王者とクラブ王者が激突し、“真の西部王者”が決まる。
『チャンピオンシップ』と呼ばれる決勝大会では、中体連の部優勝の浜松開誠館中学校とクラブの部優勝のHondaFCが、“真の西部王者”の称号を懸け激突。中体連の部準優勝の開成中学校とクラブの部準優勝の浜名ジュニアユースによる3位決定戦も行われた。
3位決定戦は、朝から降る雨の影響でスリッピーなピッチコンディションの中でも、落ち着いたボールコントロールを見せる浜名に対し、開成中はミスを連発。中盤の攻防で優位に立った浜名が主導権を握ると、前半10分、中盤でボールを奪うとすかさずフォワードへパス。さらにダイレクトパスで裏のスペースへボールを送ると、右サイドから走り込んだ選手がキーパーと1対1に。キーパーの動きを見て冷静にボールを流し込み、浜名が先制。さらに前半22分、ペナルティエリア内で開成中のクリアミスを拾いシュート。一旦はキーパーに阻まれるも、こぼれ球を押し込み追加点。浜名が2点をリードして前半を終える。
後半に入っても浜名の猛攻は続き、後半1分、右サイドからのクロスに合わせゴール。試合を決定づける3点目を浜名が奪った。1点でも返したい開成中は前線を厚くし、ロングボール主体に攻め込むが、浜名の堅い守備を崩すまでには至らずタイムアップ。3対0で浜名ジュニアユースが3位の座を獲得した。
決勝戦は、大会最多8度の優勝を誇り、現在5連覇中の浜松開誠館中学校と、6年ぶりの王座奪還を目指すHondaFCの対戦。
序盤は、お互い譲らぬ展開で試合が進むが、徐々にホンダが中盤での攻防で優位に立ち始め、試合の流れはゆっくりとホンダに傾き出す。再三のピンチを迎える開誠館中だが、粘り強い守備で得点を許さないまま前半が終了。
後半に入ると、試合は開誠館中ペースに。前線にボールが収まり始めたことで攻撃が活性化。ホンダゴールを度々脅かす。しかし両チームとも決め手を欠き、試合はアディショナルタイムへ突入。延長戦がちらつき始める。後半31分、勝利への執念を見せる開誠館中が、中盤から強烈なミドルシュートを放つ。キーパーがなんとか弾くものの、走り込んだ選手が押し込みゴール。開誠館中が遂に先制点を奪った。
アディショナルタイムもあと1分。誰しもこのまま試合が終わると思った。
目安の時間が過ぎ、試合はいよいよラストプレーとなるホンダのコーナーキックを残すのみ。開誠館中がクリアした時点で試合は終わる。勝負を懸けたコーナーキックはファーサイドに流れる。そこにいたのは開誠館中。クリアしようとボールに向かうが、運悪く“なんと”手に当たる。「PK!」。ラストプレーでホンダがPKを獲得し、ゴールを決めたところでホイッスル。
試合はまさかの延長戦となった。
両チームの死闘は延長戦でも決着がつかず、PK戦へ突入。先攻は開誠館中。冷静に一人目が決め、迎えたホンダの一人目。キッカーの動きに注視し、キーパーは右へ。ボールはキーパーに吸い込まれるように右方向へと飛び、キーパーがセーブ。その後はお互い全ての選手が決め、浜松開誠館中学校が大会6連覇達成。“真の西部王者”の称号を手に入れた。