令和6年8月22日から始まった『第54回全日本中学校バレーボール選手権大会』に出場した静岡県西遠女子学園中学校。合同チームからスタートした彼女たちが辿った7年ぶりとなる全国までの軌跡を追った。
西遠女子学園中学校が7年ぶりに全国へ。
第54回全日本中学校バレーボール選手権大会
今夏、7年ぶりに全国大会出場を果たした西遠女子学園中学校バレーボール部。部員不足で練習もままならない中でも地道に力をつけ、全国への道を切り開いた。
3名の3年生たちが大会に出場し始めたのは1年生の秋。当時の3年生が引退し、部員は2学年で5名。単独チームでは大会に出場できず、引佐北部中学校との合同チームで出場した。春になり、下級生が入ってきたことで単独チームとして出場。県大会までは勝ち上がるものの、それ以上には進めなかった。夏を終え、自分たちが最上級生となった昨秋の新人戦。浜松地区大会で優勝を果たし、県大会出場を決めたが、インフルエンザがチーム内に蔓延し辞退。不完全燃焼のまま今年度を迎えた。
春の選手権では西部大会で6位。ここが彼女たちのスタートだった。この結果を踏まえて中村監督は、「例年であれば負荷を掛ける時期に敢えてそれをしなかった。新たに何かをするのではなく、今ある能力を最大限に活かすことに注力しました」と振り返った。自分たちができることを徹底し、チームの決まり事を明確にした。
迎えた最後の夏。浜松地区大会を制して県大会に出場すると、初戦、2回戦と勝利を収めベスト8に進出。準々決勝では、長泉北中学校に勝利。準決勝で浜岡中学校に敗れたものの、東海大会への出場権を獲得した。
東海大会でも、初戦、2回戦で勝利して準決勝に進出。準決勝では、クラブチームのA smileに敗れ、3位決定戦へ。勝てば全国大会出場が決まる大一番。相手は、これまで三度対戦して一度も勝てていない浜岡。「とにかく楽しもうと、自分たちらしく、笑顔の全力バレーをしようとみんなで話しました。第1セットを良い流れで取れて、第2セットでもリードを奪えました。中盤で追いつかれましたが、そこで崩れることなく戦えたことで勝ち切ることができました」と選手たちが話すように、25対8、25対19で浜岡を撃破。宿敵に初勝利を挙げ、全国大会への切符を掴んだ。
「地区大会の終盤から自分たちのバレーができていると感じられるようになりました」と選手たちは口にし、大会を通して成長し続けたことが大躍進に繋がった。「小学生の頃に西遠女子学園中学校で開催された小学生バレーボール教室で中村先生と全国大会に出場するという目標を決め、有言実行することができました。バレーが好きな小学生は、バレーボール教室に参加して、全国を経験した中学生たちと西遠バレーをぜひ体験してほしいです」と3年生の谷野寧音さんは話した。
大きな目標を達成した彼女たち。2年生以下の選手たちは、2年連続での全国出場に向けて、3年生は高校バレーに向けて、それぞれ次の目標に向かって歩みを進める。