一歩一歩着実に歩んできた
“勝者”への道程
積志中学校 剣道部女子
男子の活躍ばかりがクローズアップされてきた積志中学校剣道部。
それもそのはず。これまで女子は目立った成果を上げることができなかった。
20名いる部員の内、入部時の経験者はわずか6名。
ほとんどの選手が“未経験”からのスタートだった。特に3年生は、全員が中学から剣道を始めた未経験者ばかり。「今年も大した成果は上げられないだろう」と多くの人が思っていた。
それでも彼女たちは周囲の雑音に目もくれず、日々の稽古に打ち込んできた。
その一歩一歩の努力で、徐々に力を付けてきていた。
そして迎えた新人戦。
その努力が実を結ぶ。
浜松地区大会“準優勝”という好成績を収めると、続く西部大会でも“準優勝”、県大会となる『羽賀杯』では“3位”となり、一気に“強豪校”の仲間入りを果たした。
「稽古熱心で非常に意識の高い生徒が多い」と顧問の野中先生が話すように、一日一日の稽古を懸命に取り組んだ、努力の積み重ねが生んだ成果だった。
下級生には経験者が多くいるため、部内でのレギュラー争いは熾烈を極める。
校内戦にも関わらず、負けて悔し涙を流す生徒も多い。
その“悔しさ”こそがチーム躍進の鍵。
悔しさをバネに、さらに稽古に打ち込むことで、部全体のレベルが上がったのだ。
強さだけではなく、礼儀作法にも力を入れている同部。
「礼儀作法は、全員が意識し、徹底しています。試合はもちろんですが、そういったところでも負けたくない」と話すのは主将の鈴木陽茉莉さん。部としての礼儀作法を評価され、『試合態度最優秀賞』などの賞も受賞している。
礼儀を重んじ、強さを追求し続ける姿勢と、一歩一歩積み重ねた努力は、初となる“県の頂”へと繋がる道であるはずだ。