普段の部活動でもちょっと意識を変えることで、もっと楽しくなるはずだし、大きく結果も変わるはず。個人の意識だけではなく、全員が組織に目を向けることで、まだまだチームは大きく成長する。 

編集長のひとりごと

新チームになり挑んだ新人戦。思い通りの結果が出たチーム、そうでなかったチームとあるが、夏に向けてはこれからが本当の勝負となる。「まだ2月だし…」と思うかもしれないが、夏まではあっという間。モタモタしているとチーム力がアップしないまま夏を迎えることになる。積み上げるための努力をしないまま夏を迎え、負けてから後悔の日々を過ごす。そんなことにはなってほしくない。

そうならないために大事なことは、「主体性」を持つこと。どんなに激しい練習をしたところで、「やらされている」と思っている間は大きな成果は得られない。技術は多少改善されるかもしれないが、効率は悪い。限られた時間の中で成果を上げるためには「意識改革」が必要。自らが考えて、目の前の練習に取り組むことが必要となる。何のための練習なのかを自分なりに理解することで成長度合いは間違いなく右肩上がりとなる。

チームスポーツの場合は、これをチーム全体で共有する必要もある。しかしながら、「共有する」と言っても難しい。なんせ十人十色、考え方や意識は各々違う。偶発的に考え方がまとまることなどない。当然のことながら、共有するために必要なことは話し合い。チームとしての目標がどこにあるのか、今やっていることの目的は何なのかを共通認識として持っておく必要がある。ただ、これをやっているチームをあまり見たことがない。なぜか。それは「やらされる」ことに子供たちが慣れてしまっているからに他ない。「やらせること」に指導者が慣れてしまっているとも言える。

部活動には「四季がある」と聞いたことがある。チーム結成後は「ぶっ壊し」の時期。上級生が作ったチームから新チームにするために、あらゆることを見直す。次に来るのは「鍛錬」の時期。この季節がそれに当たるかもしれないが、とにかく厳しく、徹底的に個を磨く。春頃から本格的なチーム作りに着手し、少しずつ「子供たち主導」へと移行。そして、「成熟」の夏を迎える。チーム作りにおいて、子供たちが「主体性」を持つことは欠かせない要素となる。

イソップ童話に『3人のレンガ職人』という逸話がある。話の中に登場する職人は、それぞれ「レンガを積む」という同じ仕事をしているが、つまらなそうにただただレンガを積んでいる職人もいれば、とても楽しそうにレンガを積んでいる職人もいる。なぜそのような違いが生まれたか。答えは『意識』の違い。「淡々とレンガを積む」という行動だけ見るとつまらないと感じるが、そのレンガを積むことで「橋ができる」と思うとどうだろう。少し頑張れる気がするはず。さらに、その橋ができることで、今まで通学に3時間かかっていた子供たちが30分で通学できるようになるとしたらどうだろう。もっと頑張れるはずだ。これが『意義』を意識するということ。一見すると同じことをしているようでも、意識が変われば全く違う価値になる。

普段の部活動でもちょっと意識を変えることで、もっと楽しくなるはずだし、大きく結果も変わるはず。個人の意識だけではなく、全員が組織に目を向けることで、まだまだチームは大きく成長する。

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