育成すべきは、隣人愛と生き抜く力

聖隷クリストファー中・高等学校

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日本にいても、海外にいても、たくましく「生き抜く力」を高めていくことが、本校の大きな目標です。本校では、学力の向上だけでなく、学校生活、部活動を通して多角的な観点から、「隣人愛」を中心に据えた教育で、子どもたちを支えていくことが大切と考えています。

グローバル化、多様性、人工知能の発達。最近良く耳にするキーワードです。日本に限らず、世界中で、今、大きな変化が起こっています。そして、社会の変化に伴い、求められる力も変化してきています。これから国際的な競争がますます高まる社会では、これまでのように、「言われた事を正確に、かつ迅速に処理できる力」に加え、「新しいものを生み出す創造力」と「誰も気づいていない事柄に目を向ける問題発見能力」、そして、答えのない問題に対して、「周囲と協力して解決する力」を持つ人間が求められます。つまり、従来求められてきた様な、インプットしたAを、Aとしてアウトプットするだけでなく、インプットしたAを自分なりに理解し練り直してA+αの形でアウトプットできる力や、複数の人たちと話し合うことで、お互いのA+αをぶつけ合い、全く新しいBというものを創造する力が必要となってきます。

机上の学習だけでは、上に述べた様な「21世紀型スキル」を身につけることはできません。これからますます、勉強するのは当たり前、それに加えて、部活動や課外活動、資格試験、ボランティア活動など、中高6年間を欲張りに、充実した生活を送れば送るほど、将来の選択肢がより多くなるといったことが、より実感される時代になっていくでしょう。子どもたちが、中学・高校の6年間で学ぶべきこと、そして身につけるべきことの多さを考えると、高校受験で分断されることのない継続した6年間という学びが必要だと、強く実感しています。

「隣人愛」についても、ご紹介します。「自分のようにあなたの隣人を愛しなさい」という言葉は、聖書の一節です。「自分のように」とあるように、一人ひとりが自分自身と向き合い、良いところも、悪いところも全てが、とても大切な存在であるということに気づくことが大事です。その上で、自分が唯一無二の存在であるのと同じように、全ての人々がそれぞれ唯一無二であり、平等に大切な存在であるということに気づき、お互いがお互いを思いやり、協力する、行動すること、それが隣人愛です。

グローバル化がますます進み、違う価値観の人々と共に生きていく社会の中で、大切なことは何でしょう?英語を話すことができたら、グローバルなのでしょうか?この多様な時代に生きていくには、お互いの価値を認め合い、協力していく、まさに「隣人愛」の精神こそが、グローバルに生きる礎になると考えます。国や地域が変われば、常識も文化も変わります。でも、「隣人愛」はどこにあっても、不変のものです。文科省の指針を受けて、各校が、「グローバル教育」をどのようにしていくか、思索しているところと思います。しかし、聖隷は、聖隷というグループが生まれた、1926年(昭和元年)から、グローバルの精神で歩んできた、と言えます。

思い切って、言ってみます。時代が、やっと、聖隷に、追いついてきました。

次号では、本校の特徴的な授業・学校行事についてお知らせします。

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