親が天狗になった瞬間、子供の将来が本来とは違ったモノになってしまう。親も謙虚であるべきなのだ。

編集長のひとりごと

中体連夏季大会の浜松地区大会が終わった。これは、ほとんどの中学3年生の中学での部活動が終わったことを意味する。「やりきった」と思える2年半の部活生活を過ごすことができただろうか。

今年の野球では、大差の付いたコールドゲームが目立った。単なる「チーム力格差」という訳ではなく、春先までは合同チームだったものの、1年生が入部してくれたおかげで、夏は単独チームで出場できたチームが多かったことが要因のひとつだと考えられる。真剣に取り組めば取り組むほど、3年生と1年生では力に差が出る。1年生にとっては変化球を見るのも初めてだ。上級生同様の活躍が見込めるはずもない。それでも最後の夏。やはり全員が同じユニフォームを着た単独チームで出たい。当然の選択だ。大敗を喫したチームでも、3年生は躍動していた。「これが最後の一球」と思わせるような鬼気迫るプレーは、間違いなく観客を魅了した。「何としても先輩に繋げる」という想いを前面に押し出してプレーする下級生にも感銘を受けた。最後の試合で3年生が見せた全力プレーは、間違いなく後輩たちに受け継がれる。一方で、コロナ感染により、最後の夏にプレーできなかった3年生もいる。それを考えるととても心が苦しいが、「やりきった」と思える2年半だったと願いたい。

夏が終わると新チームになる。2年生が中心となって、まずは新人戦を目指すことになる。実はこの切り替えが意外と難しい。学校生活では3年生がおり最上級生として構えるが、部活では2年生が最上級生。何となく3年生に甘えていると、あっという間に夏が来る。「やりきる」ためにも、何とかすぐに切り替えて、最上級生としての自覚を持って取り組んでもらいたい。

1年生にとっても同様。「お客様感」があった3ヶ月だったと思うが、目一杯やるのは今。自身が「最幸の夏」を迎えるためにも、今この瞬間から全力で取り組んでほしい。

そして父母会に関しても同様。夏までに代が代わったチームもあるかもしれないが、まごまごしている間に「最後の夏」が来る。運営で分からないことも多々あると思うが、大切なことは、「子供たちがやりきるために何ができるか」ということ。父母会がギクシャクするなど言語道断。子供たちのために一致団結して、サポートしてあげてほしい。

3年生は部活が終わったとはいえ、あと半年以上、中学生活が残っている。次は「やりきった」と思える中学生活を目指すこととなる。その中心にあるのは「高校受験」。それは行きたい高校を決める所から始まる。「行ける高校」ではない。「行きたい高校」だ。行きたい高校を決めるためには、「将来どうなりたいか」を考える必要がある。高校卒業後に就職したいのか、それとも進学したいのか。就職するにしても、どんな職種に就きたいか、進学するにしても、どんなことを学びたいか、によって「行きたい高校」は変わるはず。現時点での、自分の将来像を考える時間を持ってもいいかもしれない。

そして静岡県には「裁量枠制度」がある。これについても同様。名のある高校から声が掛かる子もいるだろう。そこでも一旦考えてほしい。実際に練習見学に行くべきだし、その高校が自分の将来像と適っているかを見極める必要がある。そしてこの際に最も注意すべきこと。それは親。親が天狗になった瞬間、子供の将来が本来とは違ったモノになってしまう。親も謙虚であるべきなのだ。

 

株式会社アイジーコンサルティング

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